6月4日実施 全国世論調査の分析と結果
内閣支持率31% 維新支持率12%に上昇
—第7回dサーベイ全国世論調査—
社会調査研究センター(SSRC)は6月4日、スマートフォンを対象とした新しいインターネット調査方式「dサーベイ」による全国世論調査を実施した。4、5月は統一地方選と衆参5補選の調査・分析を優先したため、全国世論調査は3カ月ぶり。岸田内閣の支持率は31%で、3月5日の前回調査から6ポイント上昇し、昨年10月にdサーベイ全国世論調査をスタートさせて以来、初めて30%台に乗った。不支持率は7ポイント減の54%だった。
—第7回dサーベイ全国世論調査—
社会調査研究センター(SSRC)は6月4日、スマートフォンを対象とした新しいインターネット調査方式「dサーベイ」による全国世論調査を実施した。4、5月は統一地方選と衆参5補選の調査・分析を優先したため、全国世論調査は3カ月ぶり。岸田内閣の支持率は31%で、3月5日の前回調査から6ポイント上昇し、昨年10月にdサーベイ全国世論調査をスタートさせて以来、初めて30%台に乗った。不支持率は7ポイント減の54%だった。
4月の統一地方選・衆参5補選では日本維新の会の躍進が目立ち、大阪府以外では初めての公認知事を奈良県で誕生させたほか、衆院和歌山1区補選でも公認候補が当選した。その勢いは政党支持率に表れ、維新の支持率は前回調査から3ポイント増の12%に上昇。3月まで維新と拮抗していた立憲民主党は1ポイント減の7%と横ばいで、維新が立憲民主を突き放して政党支持率2位の座を固めた形だ。1位の自民党は3ポイント減の25%。「支持政党はない」と答えた無党派層は前回と同じ41%だった。
■「コロナ前の生活に戻したい」32%
この3カ月間に国民生活に大きな変化を与えたのが新型コロナウイルス対策の緩和だろう。調査で「コロナ感染が拡大する前の生活に戻したいと思いますか。それとも、ある程度の制限はやむを得ないと思いますか」と尋ねたところ、「ある程度の制限はやむを得ない」が59%を占め、「コロナ前の生活に戻したい」の32%を大きく上回った。年代別にみると、18〜29歳では「やむを得ない」と「戻したい」が同じ44%で拮抗し、年代が上がるに連れて「やむを得ない」が増え、「戻したい」が減る傾向がみられた。
新型コロナ対策のマスク着用については「屋外、屋内ともにマスク着用を続けている」35%、「屋外では外す機会が増えたが、屋内では着用を続けている」34%、「屋外、屋内ともに外す機会が増えた」24%と回答が割れた。3月の前回調査で「今後、どうしたいと思いますか」と尋ねたときは「これからもマスク着用を続けたい」の49%と「外す機会を増やしたい」の46%が拮抗していたが、3カ月たった現状としては、「屋外では」と「屋外、屋内ともに」を合わせて約6割が外す機会を増やしている。
■「災害の不安感じる」77%
梅雨入りのシーズンを迎えて早速、豪雨災害が各地で発生し、地震や凶悪事件も相次ぐ中で実施した今回の調査。「豪雨や地震などの災害に襲われる不安を感じますか」と尋ねたところ、「不安を感じる」との回答が77%に達した。「犯罪や事件に巻き込まれる不安を感じますか」との質問でも「不安を感じる」が62%を占めた。
■少子化対策財源の社会保険料上乗せに「反対」73%
岸田政権の少子化対策については「期待する」が19%(前回17%)にとどまり、「期待しない」の57%(同61%)を大きく下回った。3月の前回調査時から依然、期待感は高まっていない。少子化対策を強化する財源について、社会保険料に上乗せして国民に負担を求める岸田政権の方針に対しても「反対」が73%に上り、「賛成」は11%だった。
■G7広島サミットの岸田首相対応「評価する」42%
5月には岸田文雄首相の地元・広島で主要7カ国首脳会議(G7サミット)が開かれた。G7広島サミットの議長を務めた岸田首相の対応を「評価する」との回答は42%で、「評価しない」の28%を上回ったものの、「わからない」との回答も29%あった。
G7広島サミットにはウクライナのゼレンスキー大統領が参加し、G7としてウクライナ支援の強化を確認した。「日本政府がウクライナ支援を強化すべきだと思いますか」との質問には41%が「強化すべきだ」と回答。「強化する必要はない」が23%、「わからない」が35%だった。
■今、衆院選が行われたら「維新に投票」15%
6月21日に会期末を迎える今年の通常国会。衆院議員の任期は2年以上残っているが、岸田首相が衆院解散に踏み切る可能性が取り沙汰されている。「今、衆院選が行われたら、比例代表でどの政党に投票しますか」と尋ねたところ、自民党が21%でトップに立ち、日本維新の会が15%、立憲民主党が9%で続いた。回答が最も多かったのは「わからない」の37%だった。
「次の衆院選で野党第1党になるのは、立憲民主党と日本維新の会のどちらだと思いますか」との質問では、46%が日本維新の会と答え、立憲民主党との回答は21%にとどまった。
■「次の首相」1位岸田氏、2位河野氏
次の衆院選後の首相になってほしいと思う政治家の名前を1人挙げてもらったところ、1位は291人(回答者全体の19%)が首相続投を望んだ岸田文雄氏だった。2位以下は河野太郎氏137人(同9%)、石破茂氏59人(同4%)、菅義偉氏と高市早苗氏が各56人(同4%)、小泉進次郎氏55人(同4%)と続いた。
この質問では選択肢を示さず、自由に回答を記入してもらった。336人(同22%)が「いない・わからない」という趣旨の回答を書き込み、262人(同17%)が無回答だった。
■世論調査の新たなスタンダード:dサーベイ
dサーベイは、NTTドコモの協力を得てSSRCが開発したインターネット調査の新方式だ。NTTドコモのポイントサービス「dポイントクラブ」の会員を対象にアンケートを行う「プレミアパネル」を使用。全国約6000万人(18歳以上)から無作為に抽出した方々にメールで回答を依頼し、回答者はスマートフォンの画面で質問に答える。今回は6月4日午前9時からメールを配信し、1502人から有効回答を得た。
dポイントクラブの会員にはNTTドコモ以外の携帯キャリアユーザーも含まれ、日本の有権者の約6割を母集団としてランダムサンプリング(無作為抽出)調査ができるのがdサーベイの特徴だ。2021年衆院選、22年参院選、23年統一地方選など各種の選挙調査で精度の高さを実証してきた中で、地域別・年代別の人口構成に合わせてメール配信数を設計する「配信設計モデル」を構築。内閣支持率など有権者の政治意識を定期的に解析する世論調査の新たなスタンダードに育てるべく、昨年10月から毎月定例のdサーベイ全国世論調査をスタートさせた。
文責 平田崇浩(社会調査研究センター)
全体 | (前回) | 男性 | 女性 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
問1 | あなたは、岸田内閣を支持しますか。 | |||||||
支持する |
31% | 25% | 33% | 31% | ||||
支持しない |
54% | 61% | 57% | 51% | ||||
答えない |
15% | 14% | 10% | 18% | ||||
問2 | あなたは、どの政党を支持しますか。 | |||||||
自民党 |
25% | 28% | 29% | 23% | ||||
立憲民主党 |
7% | 8% | 7% | 7% | ||||
日本維新の会 |
12% | 9% | 14% | 11% | ||||
公明党 |
3% | 3% | 2% | 3% | ||||
共産党 |
3% | 3% | 2% | 4% | ||||
国民民主党 |
3% | 3% | 6% | 1% | ||||
れいわ新選組 |
3% | 2% | 4% | 2% | ||||
社民党 |
0% | 0% | 0% | 0% | ||||
政治家女子48党 |
1% | 1% | 1% | 0% | ||||
参政党 |
1% | 1% | 1% | 1% | ||||
その他の政治団体 |
0% | 0% | 1% | 0% | ||||
支持政党はない |
41% | 41% | 33% | 47% | ||||
問3 | 新型コロナウイルス対策について、お尋ねします。あなたは、コロナ感染が拡大する前の生活に戻したいと思いますか。それとも、ある程度の制限はやむを得ないと思いますか。 | |||||||
コロナ前の生活に戻したい |
32% | 38% | 27% | |||||
ある程度の制限はやむを得ない |
59% | 56% | 64% | |||||
どちらとも言えない |
8% | 6% | 9% | |||||
問4 | あなたは、新型コロナウイルス対策のマスク着用をどうしていますか。 | |||||||
屋外、屋内ともにマスク着用を続けている |
35% | 27% | 41% | |||||
屋外では外す機会が増えたが、屋内では着用を続けている |
34% | 34% | 35% | |||||
屋外、屋内ともに外す機会が増えた |
24% | 30% | 18% | |||||
マスクはまったくしていない |
6% | 9% | 3% | |||||
答えたくない |
1% | 0% | 1% | |||||
問5 | 災害・事件について、お尋ねします。あなたは、豪雨や地震などの災害に襲われる不安を感じますか。 | |||||||
不安を感じる |
77% | 74% | 82% | |||||
不安は感じない |
9% | 12% | 6% | |||||
どちらとも言えない |
13% | 13% | 12% | |||||
問6 | あなたは、犯罪や事件に巻き込まれる不安を感じますか。 | |||||||
不安を感じる |
62% | 59% | 65% | |||||
不安は感じない |
15% | 20% | 11% | |||||
どちらとも言えない |
22% | 21% | 23% | |||||
問7 | 少子化対策について、お尋ねします。あなたは、岸田政権の少子化対策に期待しますか。 | |||||||
期待する |
19% | 17% | 20% | 18% | ||||
期待しない |
57% | 61% | 60% | 54% | ||||
どちらとも言えない |
23% | 21% | 19% | 27% | ||||
問8 | 岸田政権は、少子化対策を強化する財源について、社会保険料に上乗せして国民に負担を求める方針です。あなたは、これに賛成ですか。 | |||||||
賛成 |
11% | 14% | 9% | |||||
反対 |
73% | 74% | 72% | |||||
わからない |
15% | 11% | 18% | |||||
問9 | 広島で開かれた主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)について、お尋ねします。あなたは、G7広島サミットの議長を務めた岸田首相の対応を評価しますか。 | |||||||
評価する |
42% | 48% | 38% | |||||
評価しない |
28% | 32% | 23% | |||||
わからない |
29% | 19% | 38% | |||||
問10 | G7広島サミットにはウクライナのゼレンスキー大統領が参加しました。あなたは、日本政府がウクライナ支援を強化すべきだと思いますか。 | |||||||
強化すべきだ |
41% | 53% | 32% | |||||
強化する必要はない |
23% | 24% | 22% | |||||
わからない |
35% | 22% | 45% | |||||
問11 | 現在開会中の国会で岸田首相が衆議院の解散に踏み切る可能性が取り沙汰されています。今、衆議院選挙が行われたら、あなたは比例代表でどの政党に投票しますか。 | |||||||
自民党 |
21% | 24% | 19% | |||||
立憲民主党 |
9% | 9% | 9% | |||||
日本維新の会 |
15% | 18% | 13% | |||||
公明党 |
3% | 2% | 4% | |||||
共産党 |
4% | 2% | 5% | |||||
国民民主党 |
4% | 7% | 2% | |||||
れいわ新選組 |
3% | 4% | 2% | |||||
社民党 |
1% | 1% | 1% | |||||
政治家女子48党 |
1% | 1% | 0% | |||||
参政党 |
1% | 1% | 1% | |||||
その他の政治団体 |
1% | 2% | 1% | |||||
わからない |
37% | 28% | 43% | |||||
問12 | 次の衆議院選挙後の首相になってほしいと思う政治家の名前を1人挙げてください。岸田首相に続けてほしいなら、岸田首相の名前を記入してください。(10人以上が名前を挙げた政治家を紹介、敬称略) | |||||||
岸田文雄 |
19% | (回答者数291人) | ||||||
河野太郎 |
9% | (回答者数137人) | ||||||
石破茂 |
4% | (回答者数 59人) | ||||||
菅義偉 |
4% | (回答者数 56人) | ||||||
高市早苗 |
4% | (回答者数 56人) | ||||||
小泉進次郎 |
4% | (回答者数 55人) | ||||||
山本太郎 |
2% | (回答者数 32人) | ||||||
吉村洋文 |
2% | (回答者数 26人) | ||||||
橋下徹 |
1% | (回答者数 17人) | ||||||
小池百合子 |
1% | (回答者数 10人) | ||||||
玉木雄一郎 |
1% | (回答者数 10人) | ||||||
問13 | 次の衆議院選挙で野党第1党になるのは、立憲民主党と日本維新の会のどちらだと思いますか。 | |||||||
立憲民主党 |
21% | 19% | 23% | |||||
日本維新の会 |
46% | 55% | 40% | |||||
わからない |
33% | 26% | 37% |
(注)小数点以下を四捨五入。0%は0.5%未満。無回答は省略。
<調査の方法> 社会調査研究センターがNTTドコモの協力を得て開発した新たなインターネット調査方式「dサーベイ」で実施した。NTTドコモのdポイントクラブ会員を対象とするアンケートサービス「プレミアパネル」を利用し、全国約6000万人の母集団(18歳以上)から調査対象者を無作為に抽出。調査への協力を依頼するメールを6月4日午前9時から配信し、1502人から有効回答を得た。