調査実績

6月20日実施 静岡県知事選投票行動調査(新出口調査)

 自民支持層の3割強「川勝氏に投票した」  

 静岡県知事選が投票された6月20日、社会調査研究センターは投票を終えた有権者を対象にインターネット調査を行った。回答者の約6割が4選を果たした川勝平太氏、約4割が敗れた岩井茂樹氏に投票したと答え、実際の開票結果とほぼ一致した。  
 調査は、社会調査研究センターが毎日新聞と共同で実施。NTTドコモの携帯電話ユーザーを中心とするプレミアパネル(dポイントクラブ)の同県在住者から対象者を無作為に抽出してメールで協力を依頼し、同日17時までに2121人が投票先を答えた。  
 国政野党の立憲民主党などの支援を受ける現職に国政与党の自民党参院議員が辞職して挑む構図が注目された。調査では、自民党支持層の7割弱が岩井氏に投票したと答えた一方、3割強が川勝氏に流れた。自主投票だった公明党支持層の投票先は両氏に二分され、国政与党の支持層を固められなかったことが岩井氏の大敗につながった形だ。  
 当選した川勝氏に対しては立憲民主、共産、国民民主支持層の約9割に加え、無党派層も約7割が投票したと答えた。調査回答者全体の65%が3期12年に及ぶ川勝県政を「評価する」と答えており、実績への高評価を背景に党派の垣根を越えて幅広く浸透したことが川勝氏の勝因と言えそうだ。  
 知事選の争点として最も重視した政策を尋ねた質問では44%が「リニア中央新幹線問題」と回答し、「新型コロナウイルス対策」の19%、「景気対策」の12%を大きく上回った。リニア静岡工区の着工には「反対」39%・「賛成」29%・「わからない」30%と回答が割れ、「反対」層の85%が川勝氏、「賛成」層の76%が岩井氏に投票したと答えた。リニア問題を重視した層の約8割が川勝氏に投票したと答えたことからも、この問題への関心の高さが着工を認めない川勝氏への追い風になったことがうかがえる。  
 川勝氏は性別・年代にかかわりなく幅広い支持を集め、特に性別では女性、年代別では18〜29歳と60歳以上における支持が6割を超えた。  


 
文責 平田崇浩(社会調査研究センター)