8月22日実施 横浜市長選d-SURVEY
8月に行われた横浜市長選(8日告示、22日投票)において、社会調査研究センターはTBSテレビ、フジテレビ、毎日新聞と共同でインターネット調査「dサーベイ」を実施しました。 dサーベイは、NTTドコモ「dポイントクラブ」のアンケートサービス「プレミアパネル」(全国の会員数約5400万人)を活用して社会調査研究センターが行う新方式のランダムサンプリング(無作為抽出)調査です。有権者のほぼ2人に1人を母集団として対象者を無作為に抽出し、全国調査のみならず地域限定の調査もできるのが特徴です。NTTドコモのキャリアメール「メッセージR」で調査への協力を依頼するので、対象者は詐欺メールなどの不安を感じることなく、個人のスマートフォンでアンケートに回答できます。回答データは個人を特定しない形で集計・分析します。
横浜市長選のdサーベイは投票当日の8月22日午後、投票を済ませた有権者を対象に「誰に投票しましたか」と尋ねる形で実施しました。社会調査研究センターではこれを「投票行動調査」(新出口調査)と呼んでいます。今回は2289人が投票先を答えてくれました。
横浜市長選のdサーベイは投票当日の8月22日午後、投票を済ませた有権者を対象に「誰に投票しましたか」と尋ねる形で実施しました。社会調査研究センターではこれを「投票行動調査」(新出口調査)と呼んでいます。今回は2289人が投票先を答えてくれました。
回答者の3割以上が当選した山中竹春氏に投票したと答え、次点となった小此木八郎氏に投票したとの回答は約2割にとどまりました。調査を共同実施した報道3社はこのデータと取材をもとに、午後8時に投票箱が閉まった直後、山中氏の当確を報じました。実際の開票結果における得票率(山中氏34%、小此木氏22%)との誤差はわずかでした。
今回の横浜市長選は、地元選出の衆院議員である菅義偉首相が前面に出て小此木氏を支援したことで、一地方選挙という意義付けを超え、政権評価を問う選挙として注目されました。調査で菅内閣を支持するとの回答は24%。地元・横浜であるにもかかわらず、市長選の投票に行った市民の内閣支持率が3割を大きく割り込んだ背景には、新型コロナウイルスの感染拡大に有効な対策が打てていない菅政権への批判があるとみて良さそうです。
もう一つ、横浜市長選の争点となったのがカジノを含む統合型リゾート(IR)の横浜誘致です。菅首相は安倍政権の官房長官としてIRの横浜誘致を推し進めたわけですが、調査ではIRの横浜誘致に反対という回答が61%に上り、賛成は23%にとどまりました。小此木氏は市長選出馬に当たってIR反対の立場を打ち出しましたが、菅首相が小此木氏の後ろ盾になっている以上、IR反対の民意も小此木氏の敗因になったと言えそうです。
調査では支持政党も尋ねました。回答者の政党支持率は自民党25%▽立憲民主党10%▽公明党3%▽共産党3%▽日本維新の会3%——などとなっています。IRの横浜誘致を進めてきた現職の林文子氏も出馬したことで自民党は保守分裂選挙となったにせよ、首相と公明党が支援した小此木氏が、立憲民主党の推薦と共産党などの支援を受けた山中氏に敗れた選挙結果をどうみればいいのか。近づく衆院選への影響が気になるところです。
TBSが8月22日夜に配信したインターネット特番より