調査実績

7月10,18日実施 兵庫県知事選d-SURVEY

 7月に行われた兵庫県知事選(1日告示、18日投票)において、社会調査研究センターは同県内の有権者を対象に、MBS毎日放送、神戸新聞、毎日新聞と共同でインターネット調査「dサーベイ」を2回実施しました。
 dサーベイは、NTTドコモ「dポイントクラブ」のアンケートサービス「プレミアパネル」(会員数約5400万人)を活用して社会調査研究センターが行う新方式のランダムサンプリング(無作為抽出)調査です。有権者のほぼ2人に1人を母集団として対象者を無作為に抽出し、全国調査のみならず地域限定の調査もできるのが特徴です。NTTドコモのキャリアメール「メッセージR」で調査への協力を依頼するので、対象者は詐欺メールなどの不安を感じることなく、個人のスマートフォンでアンケートに回答できます。回答データは個人を特定しない形で集計・分析します。  
 兵庫県知事選のdサーベイは、投票8日前の7月10日と、投票当日の18日の2回行いました。  
 7月10日は、選挙戦終盤に入る時点の情勢を探る調査でした。いわゆる「情勢調査」です。2500人から有効回答を得て集計・分析した結果、自民党と日本維新の会から推薦を受けた斎藤元彦氏がリードし、元副知事の金沢和夫氏が追う展開になっていることがわかりました。  
 7月18日の調査では、投票を済ませた有権者を対象に「誰に投票しましたか」と尋ねました。投票所の出口に調査員を配置して、投票所から出てきた有権者に直接、投票先を尋ねる調査を「出口調査」と呼びます。dサーベイであれば、新型コロナウイルスの感染リスクを伴う対面調査を避けながら、出口調査と同様の調査ができます。社会調査研究センターではこれを「投票行動調査」(新出口調査)と呼んでいます。  
 投票行動調査の目的は出口調査と同じく二つ。その一つは、開票作業が進む前に報道機関が当選確実を報じる「当打ち」の根拠とするため。もう一つは「自民党支持者の○割が□□候補に投票したと答えた」といった支持政党別や、性別・年代別などの形で有権者の投票行動を分析するためです。  
 兵庫県知事選の投票行動調査では2078人が投票先を答えてくれました。その約5割が斎藤氏、3割強が金沢氏に投票したと回答し、調査を共同実施した報道3社はこのデータと取材をもとに、午後8時に投票箱が閉まった直後、斎藤氏の当確を報じました。実際の開票結果における得票率(斎藤氏47%、金沢氏33%)との誤差はわずかでした。  
 兵庫県知事選は、自民党の県議らが斎藤、金沢両氏の支持で割れた保守分裂選挙として注目されました。投票行動調査では自民支持層の55%が斎藤氏、36%が金沢氏に投票したと答えたほか、無党派層も46%が斎藤氏、37%が金沢氏と答えました。こうした分析結果から、維新支持層を固めた斎藤氏が自民支持層や無党派層の間でも優勢だったことがわかるわけです。
 
MBS毎日放送が7月22日夜に配信したインターネット特番より