調査実績

8月20-21日実施 全国世論調査の分析と結果

 
「旧統一教会」批判の中、内閣支持率が急落

 社会調査研究センターと毎日新聞は8月20日から21日にかけて全国世論調査を実施しました。岸田内閣の支持率は36%で、参院選で与党が大勝した直後の7月16、17日に行った前回調査の52%から16ポイントもの大幅下落となりました。  
 岸田文雄首相はこの間、8月10日に内閣改造・自民党役員人事を行っていました。それが政権浮揚に繋がるどころか、急激な失速を招く結果になった原因は明白です。参院選投票2日前の安倍晋三元首相殺害事件をきっかけに、自民党と旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の関係に批判が高まり、調査では、その関係に「極めて問題があったと思う」64%と「ある程度問題があったと思う」23%とを合わせて9割近くを占めました。  
 このような世論の怒りの大きさを岸田首相は見誤ったのではないでしょうか。党内調査に後ろ向きの姿勢をとり続け、主要ポストに起用した議員と旧統一教会の関係が相次いで発覚。調査では、内閣改造・党人事を「評価する」との回答が19%にとどまり、「評価しない」が68%に上りました。  
 自民党と旧統一教会の関係については、ほとんどの方が「問題があった」と感じているわけですが、その度合いには微妙な差があるようです。「極めて」と回答した層の内閣支持率は23%と、まさに極めて低くなっています。それに対し「ある程度」と答えた層では過半数の57%が岸田内閣を支持しています。岸田首相が今後、「極めて問題があった」と感じている層の怒りを真摯に受け止めるのか、それともこれまで通りの姿勢でやり過ごそうとするのか。そこを注視していく必要がありそうです。  
 その点で注目されるのが、9月27日に行われることが決まった安倍元首相の国葬です。調査では、国葬への「反対」が過半数の53%で、「賛成」の30%を大きく上回りました。国葬に「反対」と答えた層の内閣支持率はわずか18%だったのに対し、「賛成」と答えた層では66%でした。岸田政権として国葬を中止する選択肢がないのであれば、国葬を実施する前に旧統一教会の問題にけじめをつけること、そのうえで、国葬がなぜ必要なのかについて丁寧に説明し国民の理解を得ることが求められているのではないでしょうか。

 

文責 平田崇浩(社会調査研究センター)

 
ご報告とお詫び 
 8月20、21日に全国世論調査を実施した際、7月の前回調査で対象とした携帯電話番号に再度、電話をおかけするミスが発生しました。調査システムの運用委託先が設定操作を誤ったもので、ご迷惑をおかけした皆様にお詫び申し上げます。
 調査は毎月、当社オリジナルの「ノン・スポークン(Non-spoken)調査®︎」方式で実施しています。コンピューターで無作為に数字を組み合わせた携帯電話と固定電話の番号に自動音声応答(オートコール)で電話するRDD法で調査ごとに対象者を抽出します。  
 8月20、21日の携帯電話調査では、前回対象者613人の皆様からご回答をいただきましたが、今回調査の対象者として無作為抽出した方々ではありませんので、誠に申し訳ございませんが、世論調査としての集計対象から外す措置を取りました。本来の対象者536人の皆様からいただいたご回答について、固定電話調査の対象者429人の皆様からのご回答とともに、個人が分からない形で集計・分析させていただきました。

 

 

旧統一教会の問題についての意見(自由記述回答)はこちら

 

 

8月20-21日全国世論調査の結果は以下の通りです。











 
「毎日新聞提供」