2022年7月16-17日実施 全国世論調査の分析と結果

2022.7.19

7月16-17日実施 全国世論調査の分析と結果

 
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(22.7.16-17 全国世論調査)
 
コロナ・物価・エネルギー、懸案満載の中の安定政権
- 岸田内閣、全ての年代で支持が不支持を上回る -             

松本 正生(社会調査研究センター代表取締役社長)  


 社会調査研究センターは、2022年7月16日(土)~17(日)にかけて、RDD方式による全国世論調査を実施しました。調査の方法は、携帯電話(スマートフォン)へのSMS(ショートメッセージ) + Web(インターネット)、および、固定電話へのIVR(オートコール)を複合した、新しいミックス・モード手法 = 「ノン・スポークン (Non-spoken) 調査」を採用しています。有効回答者数は、携帯621人、固定410人、計1,031人でした。 

■岸田内閣 : 支持率52% vs 不支持率37%
 今月の岸田内閣支持率は、前回(6月)から4ポイント増の52%、不支持率は7ポイント減の37%となりました。7月10日に投開票が行われた参院選における勝利を受けて、岸田内閣は、再び安定基調に回帰したように思われます。
 〔表1〕は、岸田内閣の支持・不支持と政権の新型コロナ対策評価について、推移をまとめたものです。7月に入り新型コロナウィルスへの感染が急拡大し、新規感染者数が連日10万人を超える中で、岸田政権のコロナ対策を「評価する」比率は35%に低下し、「評価しない」の34%と拮抗しました。ただ、コロナ対策評価と内閣評価との間に連動関係は見受けられません。


〔表1〕岸田内閣支持・不支持とコロナ対策評価
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 〔図1〕をご覧ください。年齢別の内閣支持率・不支持率のグラフです。「若低-老高」型の安定構造に支えられていた岸田内閣の支持率は、6月(中図)に、50代で支持と不支持が逆転したのをはじめ、30代では不支持率が12ポイント上昇して不支持と支持のポイント差が拡大するなど、若・中年層における低下傾向がみられました。

〔図1〕内閣支持率・不支持率(年齢別)

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 今月(右図)は、6月に低落の度合いが大きかった30代と50代の支持率が、それぞれ13ポイント、12ポイント上昇したのを筆頭に、18~29歳から50代までの若・中年層すべてで支持率が増加しました。しかも、4月(左図)の形状と比較すると明らかなように、これまでは不支持が支持を上回っていた18~29歳、30代の若年層でも、比率の差は小さいものの支持と不支持の付置関係が反転し、全年代における「支持>不支持」という、いわばキャッチオール(catch-all)構造に変化しました。

■コロナ対策、「第7波」の不安、物価対策:懸念と不安を抱える社会  
 次に、アドホックな個別課題に関して、年齢別の回答結果を確認してみましょう。〔表2〕を参照してください。


〔表2〕コロナ対策評価・「第7波」の不安・物価対策評価(年齢別)
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 先ず、「岸田政権の新型コロナウィルス対策への評価」をみると、内閣支持率では支持が不支持を上回るようになった若年層でしたが、コロナ対策評価に関しては、18~29歳の「評価する」=20%:「評価しない」=41%をはじめとして、否定的評価が肯定的評価を上回るというこれまでの傾向に変わりはありません。また、支持率=57%:不支持率=32%と、内閣への高い評価を示す70歳以上の高年層も、新型コロナウィルス感染が再び拡大する「第7波」に対して、「(不安を)感じる」が77%と、非常に高い懸念を抱えていることが確認できます。
 「岸田政権の物価対策への評価」についても、「評価しない」の比率は、30代の68%を最高に、18~29歳から50代までの若・中年層のすべてで6割を上回っていることがわかります。喫緊の政治課題への政権の対応に関しては、「評価しない」が多数を占めるという懸念と不安を背景に、内閣への支持基調が存在しています。 今回の調査では、「3年後の日本の社会が今よりも良くなっていると思いますか」という質問も設定しました。全体の回答結果は、「良くなっていると思う」が14%、「良くも悪くもなっていないと思う」が37%、「悪くなっていると思う」が36%でしたが、「悪くなっていると思う」の比率は、18~29歳で52%と過半数を上回り、30代でも43%と若年層で高い値が示されました。


■立憲民主党と日本維新の会:「どちらに期待するか?」
 さて、7月10日に投開票が行われた参議院議員の通常選挙は、自民党が改選過半数の63議席を獲得して勝利するとともに、第一野党の立憲民主党が議席を大きく減少させ、比例区に関しては日本維新の会の議席数を下回る結果となりました。今回の調査では、「立憲民主党と日本維新の会のどちらに期待しますか」とする質問を採用しました。
 その結果は、「立憲民主党」が20%、「日本維新の会」が46%、「どちらにも期待しない」が28%となりました。〔図2〕は立民と維新に関して、年齢別の数値をプロットしたものです。すべての年代で維新に期待する割合が、立民を大きく上回っています。とりわけ、30代から50代の実年世代における差が顕著です。来年4月の統一地方選に向けて、維新がどのような全国展開戦略をとるのか、劣勢の立民に立て直しの機運が生ずるのか。2022参院選は、野党勢力に大きな課題を投げかけました。


〔図2〕「立民と維新、どちらに期待するか」(年齢別)
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7月16-17日全国世論調査の結果は以下の通りです。

7.16調査1
7.16調査2
7.16調査3
7.16調査4
7.16調査5
7.16調査6





 
「毎日新聞提供」

 

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2022年07月19日 09:00
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